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中国探検隊隊長

中国探検隊隊長

2014-09-18 17:47:32

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  2013年、中国の宅配便サービス(エクスプレスサービス。中国語:快逓)企業全体の年間業務取扱量は92億件に達し、市場規模は世界第2位となりました。市場成長率は、前年同期比61.6%増、過去5年間平均では43.5%増です。
 この市場拡大は、主にEC取引市場の急成長によりもたらされたものです。2013年、企業間のEC取引を含めたEC市場全体の取引規模は前年同期比 29.9%増の10兆2000億元(約166兆円)、そのうち小売のネット通販取引規模は前年同期比42.8%増の1兆8500億元(約30兆円)でし た。
 このような状況の中、「ネット通販企業がサービス向上等を目的として物流分野に参入する」、その一方で「物流企業が取扱量アップ等を目的としてネット通販等のEC分野に参入する」という、交差する流れが新局面を作り出しています。
 以下に物流事業とネット通販の融合を図る3社の動きを紹介しますが、ここでもう一つポイントとなっているのが「O2O(オンラインとオフラインの購買活動が連携し合う)」の実践です。
 2014年5月18日、宅配便サービスの民営企業最大手・順豊速運(SFエクスプレス)が「ロ黒客」という名称で、多機能サービスを提供する実店舗を一 斉オープンしました。その数、中国全土で518店です。順豊速運は良質なサービスで知られ、2014年1月現在で、中国国内及び海外に約24万人の従業員 を抱え、中国国内に7,800箇所以上のサービス拠点を設置し、自社で1万台の車輛と14機の航空機を有する、宅配便サービス界のブランド企業です。
 「ロ黒客」は集合住宅の1階など、住民の生活に密接する場所に出店し、宅配便の集配機能のほか、通販営業を含む様々なサービスを提供します。
 「実店舗で通販営業」というのは、奇妙に聞こえるかと思いますが、「ロ黒客」のビジネスモデルは実際とても変わっていて、店舗内には商品の実物は置かれ ていません。店舗には商品のパネルやQRコード等が陳列されており、注文は店内のタッチパネルモニターや携帯を通じて行います。注文した商品は、順豊の宅 配便で配送されてくるという仕組みです。
 現段階では、商品の種類も豊富とはいえず、価格も安価とはいえないようなので、「ロ黒客」の成功に懐疑的な声も多く聞かれます。曰く、「自分の携帯やPCで通販を利用する方がずっと便利だ」という意見です。
 但し、同店は試食や試着、配送の難しい生鮮食品の提供も充実させていく計画です。また、この他にも、ATM、公共料金の支払い、共同購入/予約購入、クリーニング、家電修理、フライトチケット予約等、多機能サービスを備えています。
 筆者がこのニュースを目にした最初の感想は、「やっと日本のコンビニのような場所ができるのか」というものでした。中国のコンビニでも一部、類似のサービスを提供しているところが無くはないのですが、使い勝手が良いとはいえず、利用は普及していません。
 もし、「ロ黒客」がこれらのサービスをうまく機能させることができ、人々が日常的に利用する場所として認知されれば、通販ショッピング以外にも、商品広 告やマーケティングデータ入手のポイントとしての価値が生まれることになります。それはとりもなおさず、順豊速運が「住宅地での集配拠点拡大」「収益源の 多様化」の成果を獲得することを意味します。
「ロ黒客」は1年以内に4000店舗まで拡大する計画です。
 このように、「地域コミュニティに入り込む」という点は、ネット通販の2大巨頭である「京東商城」と「アリババ集団(タオバオ、Tモール)」も共通して 目指すところです。京東は今年3月、上海・北京・広州等15都市の1万店以上のコンビニエンスストアと提携関係を結び、これらコンビニ店舗を自身の物流体 系の一環として組込みました。これにより、注文から1時間以内の配送サービス(配送費無料)、15分以内の配送サービス(配送費有料)、時間指定配送の実 現等、物流業界の課題とされてきた「最後の1Km」の配送サービスを劇的に進化させる計画です。
 と同時に、コンビニ側に対しては、京東の圧倒的なPVを誇る通販サイトをO2Oツールとして提供し、コンビニの売上げ拡大を図ります。
 アリババ集団は、さる6月12日、中国郵政集団との提携を発表しました。国営の物流企業トップである郵政集団は、中国全土に11.8万箇所の営業拠点を 有し、国内で唯一、本当の意味で中国全土をカバーする物流・宅配ネットワークを持つ存在です。アリババの運営するタオバオ等ネット通販で購入した商品が郵 便局拠点で受取れるようになるほか、将来的には先の「ロ黒客」のように、郵便局拠点でオンライン商品を注文したり、体験したりというサービスを展開する計 画です。
 各社のO2O戦略の拡大により、今後ますますECサービスが身近になりそうです。


情報元:http://www.chinawork.co.jp/e-keizai/shiten20140630.html

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